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(株)農研植物病院 ジャガイモシストセンチュウ類(PCN)
検査サービスのご案内
北海道内のお客様
北海道以外の府県のお客様
→詳しい状況をお伺いしてサンプリング法、価格等をご案内いたします。恐れ入りますがお問い合わせフォーム(リンク)よりご連絡ください。
道内の皆様へ
弊社は2024年1月に設立された農研機構発のスタートアップ企業で、「農研機構の研究成果を社会実装する」ための会社です。
このたび、北海道農業研究センター(以下「北農研」)から「ジャガイモシストセンチュウ類(以下「PCN」)の土壌検診法標準作業手順書」が公開されたことに伴い、弊社におきまして、PCNのリアルタイムPCRによる検査事業を開始することと致しました。
私は、2000(平成12)年から2020(令和2)年まで、北農研に勤務しておりました。2015(平成27)年に道内でジャガイモシロシストセンチュウ(Gp)が発見された際には、道内関係者の皆様の協力のもと、北農研で遺伝子解析を含む同定を行い、Gpの初発生を確認いたしました(初発生報告)。その後の緊急防除を開始するための手続き、2016(平成28)年から始まった緊急防除を、離任するまでの4年間にわたり研究機関としてサポートして参りました。
このたび、弊社においてPCNのPCR検査を実施することは、Gpの初動防除に関わった者として感慨深く、同時に、経済的被害をもたらすPCNを検査する機関の役員として重い責任を感じております。
PCNの根絶については、北農研の奈良部所長が所信を述べておられます(日本の畑からジャガイモシロシストセンチュウが消える日)。
さらに、私は昭和62(1988)年から12年間沖縄県で勤務していたのですが、その間1993(平成5)年に沖縄で世界初となるウリミバエの根絶が達成されました。現地で根絶に至る営みを見て、「いろんな立場の人がこの害虫を根絶させなければいけないと思い、研究者、国、県、市町村の皆さんが一緒になって取り組みました。それぞれの立場の人が「私の立場はここまでだから…」というところを一歩踏み出したことで、非常に難しい事業が成功したんだと思います。」と感じています(こぼれ話 沖縄県ウリミバエ根絶宣言)。
開発機関の北農研と共に、弊社の検査がPCN根絶に役立てることを祈っています。

- 眞岡哲夫
- 株式会社農研植物病院CTO
- 農研機構総括執行役
- 技術士・植物医師
- 一般社団法人日本植物病理学会代表理事副会長
本検査の位置付け
弊社は、農研機構発のスタートアップ企業です。「北海道ジャガイモシストセンチュウ類防除対策基本方針」別図「防除対策フローチャートの「民間等研究・育成機関」に相当し、農研機構北海道農業研究センターと共に、防除対策を支援します。本検査は「新規地域でシストセンチュウ類を発見した場合の対応について」(令和6年10月1日付北海道病害虫防除所)に定める「自主検診」を補完するための有料検査です。終了後、通報の必要が生じた場合は、検査結果を添えて、総合振興局等へ連絡をお願いします。
弊社への検査依頼について
弊社では、ほ場で発見された正体不明のシストから幼虫を取り出し、遺伝子診断法に基づいて、ジャガイモシストセンチュウGlobodera rostochiensis(以下Gr)であるか、ジャガイモシロシストセンチュウGlobodera pallida(以下Gp)であるかの判別を行っております。検診現場で採取されたシストの検査依頼については、まず、弊社HPからジャガイモシストセンチュウ類検査依頼の申込を行っていただきます。弊社で依頼内容の確認を行った後、下記の要領に従って検査対象のシストをご送付いただきますようお願い致します。
サンプル送付の留意点
- 1.弊社ではシストが混在した植物体あるいは土壌からの検定は行っておりません。付着したシストを分離した上で送付してください。
- 2.シストは11~20個程度(検査には10個使用)を、70%エタノールを充填した1.5mlマイクロチューブ等にいれ、内容物が漏出しないよう厳重に封をして、クール便にてご送付ください(土日祝祭日の到着は避ける)。
- 3.シストの状態によっては内部のセンチュウが死滅しており、遺伝子診断法による検定が行えない可能性があるため、場合によっては試料の追加を要請する可能性があります。検査結果が出るまで、お手元に残したシストは保管いただきますようお願い致します。
検査結果の送付、シストセンチュウ類を検出した場合の対応について
弊社で行った検査の結果につきましては、依頼者又は指定の連絡先以外への第三者へ開示することはありません。「新規地域でシストセンチュウ類を発見した場合の対応について」に基づき、本検査終了後、通報の必要が生じた場合は、検査結果を添えて、総合振興局等へ連絡をお願いします。
検査法について
弊社で行う遺伝子診断法は、(1)シストからの幼虫の取り出しと、DNA抽出(2)リアルタイムPCR法によるジャガイモシストセンチュウ2種の判別、によって行われます。本法はそれぞれ、以下に示す農研機構が公開している標準作業手順書(SOP)に沿って実施しております。
検査法、及び検査結果の詳細につきましてはテクニカルレポートとして、ご提出致します。
検査料について
検査料は1サンプル単体の検査でおおよそ3万円です。サンプル数により変動しますので、お問い合わせください。検査前に見積書をお送りします。
参考文献
- ①北海道ジャガイモシストセンチュウ類防除対策基本方針(令和4年7月29日付け技普第816 号農政部長通知)
- ②北海道ジャガイモシストセンチュウ類防除対策基本方針の取組の徹底について(令和4年7月29日付け技普第817 号農政部長通知)
- ③北海道ジャガイモシストセンチュウ類防除対策基本方針における植物検診及び土壌検診の実施について(令和4年7月29日付け技普第818 号農政部長通知)
- ④新規地域でシストセンチュウ類を発見した場合の対応について(令和6年(2024年)10月1日北海道病害虫防除所)